2015年製作/1時間49分
原題:Seoul Searching
監督:Benson Lee
Cast
Cast overview, first billed only: | |||
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Justin Chon | … | Sid Park |
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Jessika Van | … | Grace Park |
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In-Pyo Cha | … | Mr. Kim |
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Teo Yoo | … | Klaus Kim |
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Esteban Ahn | … | Sergio Kim |
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Rosalina Lee | … | Kris Schultz (as Rosalina Leigh) |
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Albert Kong | … | Mike Song |
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Heejun Han | … | Chow |
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Crystal Kay | … | Jamie |
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Nekhebet Kum Juch | … | Jackie Im |
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Uatchet Jin Juch | … | Judy Im |
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Sue Son | … | Sara Han |
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Gwi-hwa Choi | … | Mr. Chae (as Guyhwa Choi) |
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Seong-guk Choi | … | Gangster Song |
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David Lee McInnis | … | Sergeant Gallagher |
コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。女優オノユリの映画の話をしましょうよ、のお時間です。
昨年、このラジオにも何度か出演してくれている、わたしの良き友人で、女優でシンガーソングライターの美しい人、本間愛花さん が会社を立ち上げて事務所を構えました。事務所…わたしの住まいに近いのですが、まだ伺ったことないのですよね。近くに美味しいお店があるので、二人でランチをしたりもしたのですが、事務所へは伺っていないのです。あれ?
「きてきてー」とは言ってくれるのですが、いつ迎え入れてくれるのでしょうか(笑)近くに住んでるのに…ねぇ。
なにかお祝いを…と漠然と考えていたのですが、中々お祝いに贈るものを思いつかなかったのです。「事務所の内装も徐々に…」と言っていたので、お役に立てるもので彼女の側で元気をもらえるようななにか…と言うことで、手間のかからなそうな観葉植物にしようと思い付きました。ただ、やはり本人のイメージする事務所のテーマのようなものがあるかもしれませんし、わたしは伺ったことがないからわからないし…と言うことで、幾つか本人に写真を送ってどれがいいか尋ねました。
実は、内心この観葉植物が一番彼女に似合いそう!と思っていた植物がありました。
ストレリチア、オリーブ、モンステラ、パキラ、この4種類の観葉植物はお祝いの贈り物にもふさわしく、丈夫で強いので、それぞれの花言葉と豆知識と一緒に本人に尋ねると、ストレリチアかオリーブ、との希望でした。オリーブは、わたし自身育てているのもあり、とても強い植物なのでおすすめではあるのですが、実は彼女に一番似合いそうと思っていたのが、ストレリチア、日本語では極楽鳥花という火の鳥のようなお花を咲かせる植物でした。花言葉は「輝かしい未来」彼女の側で、エネルギーたっぷり元気にのびのび育ち、暗闇の中でもきっと輝かしい未来を照らしてくれるような、こちらのストレリチアを贈りました。
本間愛花さんとわたくし、オノユリは以前 塩屋俊(しおやとし)先生のもと、Actors Clinicと言うわたしたちにとって特別な場所でお芝居の勉強をしていた同期なのです。その頃から何年も経ち、今どうしているかわからない仲間もいる中、お互い刺激をもらいながら、わたしは彼女に勇気ももらいながら、今もこうして芸能で生きている、共有する過去が溢れるほどある仲間です。
本日お話する映画は、韓国映画ですが、少し趣がちがいます。
どのようなお話でしょうか?
ソウルへGO!!
2015年製作/1時間49分
原題:Seoul Searching
監督:Benson Lee
1986年、海外で生まれ育った韓国系の少年少女達は、ソウルへやって来た。サマーキャンプで自分達のルーツに触れる彼らの、熱くてまぶしい青春の一夏が始まる。(netflix https://www.netflix.com/jp/title/80106230)
Multifunctional FILMANIA
韓国映画が好きで、よくこのコーナー「女優オノユリの映画の話をしましょうよ」でもお話していますが、ちょいちょい苦手な分野があったりします。韓国映画の場合は、ラブコメディとコメディが少し苦手です。苦手というよりも、韓国のスリリングなミステリーやドラマが好きすぎる…というのがおそらく原因かもしれません。
本日お話する『ソウルへGO!!』はタイトルがコメディ感あって、なんとなく鑑賞してこなかっかった作品です。すみません、いつもなんだか偏ったことを言っているわたしです…。
この作品、鑑賞してあれ?と気づいたのですが、結構全編英語なのです。韓国語は圧倒的に少ないです。
まず、この主人公たち1986年の韓国系少年少女たちがなぜ海外で生まれ育ったかと言うと、朝鮮戦争がきっかけなのです。この主人公たちの親の世代、1950年から朝鮮戦争が始まります。この戦争が、残虐を極め、「数百万人が犠牲となり国が壊滅状態で、人々は故郷を失った」このように『ソウルへGO!!』の、物語は始まります。余談となりますが、この朝鮮戦争の開戦がきっかけで、太平洋戦争で敗戦しボロボロだった日本は朝鮮特需ができ、急激に戦後復興と経済成長していったのです。
韓国と北朝鮮の休戦後、『ソウルへGO!!』の主人公の親世代たちは夢と希望を抱え移住していきます。子どもたちに同じ思いをさせないと願って。けれども、そこに起こった問題が、子どもたちが他国の文化に染まり、韓国文化に馴染めなくなってしまう、ということでした。親ですら、自分の子供を他人のように感じてしまうといったケースもあったそうです。そして80年代に韓国政府が取り組んだのが世界中にいる韓国系の2世を韓国に招き、サマーキャンプを行い、韓国の文化に馴染んでもらう、と言った取り組みでした。しかし、その取り組みは、たった数年で終わったそうです。なぜなら、海外育ちのティーン・エイジャーは、誰の手にも負えなかったから!という、実際にあったお話が元になっているのですが、実はベンソン・リー監督の実体験なのでは?とも言われています。
少年少女の中で、メインが5-6名いて、全員海外生まれの海外育ち、その中のひとり、シド・パーク役のインパクト大な男の子は、なんか引っかかるなぁ・・・と思ったら、わたしが住んでいたOrange Countyの生活していたエリア出身の方でした。Orange Countyは役者が多いので、当時一緒に遊んでたかもしれないですね(笑)そうそう、わたしの住んでいた所は、2ブロック先に韓国のスーパーがあるほど韓国人が多くて、わたしの乗っていた車も韓国人の整備士さんにいつもお世話になっていました。アメリカのスーパーよりも、どこか懐かしい韓国のスーパーが好きでよく行ってました。数年前にお仕事で中井プロデューサーと顧客とLAとOrange Countyへ行く機会があり、その時に懐かしすぎて行きたくてお二人を韓国スーパーへお連れしたんですよー!(爆笑)2人ともアメリカへ来たはずなのに一気に韓国に旅行に来たみたいな気分になっちゃって、日本では手が出ない箱入りの生うにを買ったりして、夜中に3人で食べましたね(大笑い)もちろん、仕事です。仕事。(笑)
少し脱線しましたが、映画『ソウルへGO!!』に出演している少年少女はほぼまさしく等身大の韓国系2世。韓国語が話せない、書けない子もいます。少年少女が一箇所に集められたら、そりゃパーティーが開かれるわけで、ここらへんは映画「アメリカン・パイ」シリーズを彷彿とさせますし、まさしくアメリカンな展開の映画なのですが、韓国がメインテーマの映画なので、すべてをアジア人で演じつつ、洋画のバランスが取れていると言う、アメリカンな韓国映画です。
そしてこの出演者たちが、それぞれ海外育ちなので個性が豊かで、5人しか挙げないのが勿体ないくらいなのですが、シド・パークはシド・ヴィシャスに憧れるパンクロックな少年。グレースはマドンナをセクシーに歌い踊る少女、クラウスはドイツで生まれ育ちドイツ人彼女がいる気品のある少年、セルジオはメキシコ生まれで心もメキシカンな陽気な少年…少年?(一応少年)クリス・シュルツは外国人のご夫婦に養子に迎えられた女の子。他にも紹介したいキャラクターいっぱいいるのですが、訳わからなくなっちゃいそうなので、ひとまずここまで!で、この5人を主軸にひと夏の青春を駆け巡るわけです。ブレックファスト・クラブのように、個性の違うみんなの心が右往左往するのです。
文化や歴史や言語、家族の背景。生まれ育った環境が違っても、既に言葉が話せなくても、心に『故郷』というものは存在するようなのです。
なんだろう、ティーン・エイジャーや学生のパーティーってほんとバカ騒ぎじゃないですか。言っておきますけど、経験があるので知っています。ただの馬鹿騒ぎです。あ、ごめんなさい語弊がありました。パーティーって大人になってもただの馬鹿騒ぎです。(笑)ただ、パーティって知り合うきっかけ、仲良くなるきっかけとしては最高の場だと思うんですよね。で、ティーンや学生なので、みーんな単なるばかでしかない、ないんですけど、本当はそれぞれに抱える背景があって、ばか騒ぎで一瞬忘れたって、人にはそう見えなくたって、自分の抱える心の寂しさ、のようなもの、は次の日には戻ってくるんですよね。
どんなに、海外生まれで海外育ちで自由奔放な彼らが羨ましくたって、みんな同じように抱えているものがあるのです。そして、一人ではどうしようもないことがあり、どんなきっかけでその問題と向き合うことになるのか、と言う、韓国の国内外を規模に大きな背景を描いてもいる作品でした。
韓国と日本って本当に不思議な国だなぁ、と思います。
ベンソン・リー監督『ソウルへGO!!』韓国系2世の少年少女がサマーキャンプで出会った一生の仲間たち。
一生の仲間を恋しく思ったり改めて大切に思ったり。わたくし、オノユリの場合は冒頭でお話した女優でシンガーソングライターの本間愛花との出会いと、Actors Clinicの仲間たちとばかみたいに笑って泣いた日々をぎゅーっと抱きしめるような時間を鑑賞後に過ごしました。
自粛期間、普段なんとなく選ばない映画も、鑑賞すると気づかない自分の存在に気付かされたりもしています。
ではまた映画の話をしましょうね、オノユリでした。