Contagion コンテイジョン

2011年製作/106分/G/アメリカ
原題:Contagion
配給:ワーナー・ブラザース映画

みなさんこんばんは。

東京は、未だに外に出れば人がいますし、電車に乗っても人がいます。

日々の暮らしの中で、お仕事もあるし、生活もあるし、買い溜めは非難されるし、着用をするように言われるマスクは手に入らないし、だからと言って、本当に必要なものはなんだろう?なんて事をぼんやりと頭の中よぎります。父と暮らしているので、高齢の父が外に出ないように、甘い物を手にとって帰る自分がいます。少しでもストレスが緩和されるようにと願って。みなさん、ストレスフルな時間をお過ごしかもしれません。あなただけじゃありません。今は、みんな。世界中が、そうです。幸せな時間や、自分にとって大切な人の事を考えて、大切な人なんかいないっなんて場合は、未来の自分の穏やかな日常のためにお過ごしください。

さて、「オノユリの映画の話をしましょうよ」では、Covid-19, コロナウィルスが世界に蔓延し始めた頃から、ご家族で楽しめるようなエンターテイメント性の高い作品をご紹介しようと考えて作品選びをしてまいりました。

最近よくドイツ人映画監督、ウォルフガング・ペーターゼン監督作品1995年の「アウトブレイク」と言う映画について思い出していて、この映画はフィクションで、架空のウィルスが爆発的な感染「アウトブレイク」へと発展していく様子、ウィルスが進化していく様がとても怖くて、衝撃を受けた作品なのですが、架空のウィルスとは言え、モデルとなったのは実際に存在するエボラ出血熱と言うエボラウィルスの感染症が元になっており、高熱、下痢、全身や消化管からの出血、体内に侵入すると驚異的なスピードで増殖を行い内臓を融解(ゆうかい)させて感染者を数日で死に至らしめ、致死率は100%と言われている想像を絶する恐怖ウィルスとの戦いを描いた物語です。

みなさんに「アウトブレイク」についてご紹介すべきかと考えていたのですが、現在スティーブン・ソダーバーグ監督の2011年の作品「Contagion」が再び注目を浴びていると言う事で、こちらの作品を鑑賞しました。

ただ、事前に告白しますと、正直この作品を鑑賞したいとはみじんも思いませんでした。楽天的な人間の私は、あまりに追い詰められた世界の現状を直視することからすら逃げ出したい気持ちでいっぱいなのです。そんな中で、現状が映画に纏められているような作品を鑑賞したいと言う気持ちには・・・中々なれませんでした。

あらすじ

香港出張からアメリカに帰国したベスは体調を崩し、2日後に亡くなる。時を同じくして、香港で青年が、ロンドンでモデル、東京ではビジネスマンが突然倒れる。謎のウイルス感染が発生したのだ。新型ウイルスは、驚異的な速度で全世界に広がっていった。
米国疾病対策センター(CDC)は危険を承知で感染地区にドクターを送り込み、世界保健機関(WHO)はウイルスの起源を突き止めようとする。だが、ある過激なジャーナリストが、政府は事態の真相とワクチンを隠しているとブログで主張し、人々の恐怖を煽る。その恐怖はウイルスより急速に感染し、人々はパニックに陥り、社会は崩壊していく。国家が、医師が、そして家族を守るごく普通の人々が選んだ決断とは──?(公式サイトより)

まず、この作品、出演者の豪華さに圧倒されました。

スティーブン・ソダーバーグ監督と言えば誰もが大好きジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」、女性版も最高だった「オーシャンズ8」、まだまだ観たい「オーシャンズ11・12・13」、そして、革命家チェ・ゲバラを描いた「チェ 28歳の革命」と「チェ 39歳別れの手紙」などなど、世界中でファンの多い作品を撮られている監督です。

  • レオノーラ・オランテス医師 – マリオン・コティヤール(「エディット・ピアフ 愛の讃歌」・「インセプション」)
  • ミッチ・エムホフ – マット・デイモン(「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」・「ジェイソン・ボーン」シリーズ)
  • エリス・チーヴァー医師 – ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス」「ミスティック・リバー」「ジョン・ウィック」)
  • アラン・クラムウィディ – ジュード・ロウ(「ガタカ」「A.I.」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」「シャーロックホームズ」「ヒューゴの不思議な発明」「グランド・ブダペスト・ホテル」)
  • ベス・エムホフ – グウィネス・パルトロー(「アイアンマン」シリーズ・「セブン」「Hook」(若き日のウェンディ)」
  • エリン・ミアーズ医師 – ケイト・ウィンスレット(「タイタニック」「エターナル・サンシャイン」)

そして、この作品の最も注目すべき点としては、松谷創一郎さんと言う方の記事を参考にご紹介させていただきますね。

2011年に新型コロナを予言していた映画『コンテイジョン』──パンデミック・フィクションへの想像力

人類に対する警告の映画

 実際この映画は、入念な専門家への調査を経て創られていた。スリラーとして評価されているが、医学的な側面の厚みがあるのが特徴だ(※)。よって予言的であるのは、なかば必然であるのかもしれない。

 なかでも、テクニカル・アドバイザーとしてこの作品に参加している疫学者のラリー・ブリリアントは、今回の新型コロナウイルスについて語るなかで『コンテイジョン』をこのように振り返っている。

あの映画は先見の明があると評価されました。いままさに、科学が正しかったことが証明されているわけです。過去10年か15年間、疫学の研究者たちは常に、いつかこうしたパンデミックが起きると警告し続けてきました。問題は起きるか起きないかではなく、いつ起きるかでした。人々に耳を傾けてもらうことは本当に難しいと思います。

出典:スティーヴン・レヴィ「新型コロナウイルスとの戦いの行方は? 『全人類に感染の恐れがある』と、天然痘の撲滅に貢献した疫学者は言った」 『WIRED』2020年3月25日

 

なので、とてもリアルな、2020年の世界を観ているかの様な錯覚に陥ります。心がざわざわと不安でいっぱいになります。出演者のマスクを着用していない姿には、マスク着用をアドバイスをしたくなり、家族を守ろうと必死のマット・デイモンを観て、我が身を反省します。わたしたちは、こんな風に身を守らなければならないんだ・・・そう言う状態なんだ、と。

なので、本日「Contagion(伝線)」をご紹介いたしました。ぜひ、あらためて危機管理について考えていただきたいと思います。見えない敵、ウィルスと戦うと言う事、どれだけ長期間の戦いになるかは分かりませんが、とにかく心の健康を第一に、お過ごし下さいね。皆様のご健康を心より願っております。

ではまた来週、映画の話をしましょうね。

オノユリ

Marriage Story

2019年製作/136分/G/アメリカ
原題:Marriage Story
配給:Netflix

「イカとクジラ」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎えて描いたNetflixオリジナル映画。女優のニコールと夫で舞台演出家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。第92回アカデミー賞では作品賞のほか主演男優、主演女優、脚本など計6部門でノミネートされ、ニコールを助ける女性弁護士ノラを演じたローラ・ダーンが助演女優賞を受賞した。そのほかの共演にアラン・アルダ、レイ・リオッタら。Netflixで2019年12月6日から配信。日本では配信に先立つ11月29日から、一部劇場にて公開。(映画.com)

Netflixで素敵な映画のトレーラーが流れているなと思っていたこちらの作品ノア・バームバック監督「Marriage Story」。

主演のお一人はスカーレット・ヨハンソン。沢山出演されていて、どの作品でも輝いているから、結構みなさん彼女の作品で思い浮かべる映画が違うのではないでしょうか?今はシリーズで出演されていた「アベンジャーズ」シリーズを思い浮かべる人が多いかな?わたしの中では・・・未だにソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」(03)かなぁ?アメリカに住んでいる時にこの作品が公開されて、ハリウッド俳優が日本に来てCMに出演するシーンで俳優が日本人監督に何を言われているのかさっぱりわからないと言うシーンで日本人監督は何を言っているんだ!?ってよく尋ねられたものです。分からないから楽しいのにねぇ?

もう一人の主演は、アダム・ドライバー!以前「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」でお話ししたかと思いますが、2015年から始まった「スター・ウォーズ」の3部作でカイロ・レン役を演じた方です。カイロ・レン カッコよくて、最後泣いたよね。なんか、写真とかDLしたよね。

今作「Marriage Story」でもお二人ともとっても素敵です。あ、お二人だけじゃなく、全てがパーフェクトに感じる作品でした。まず、予告編を観ていただいたら、思わず惹きつけられてしまうのではないかと思うのです。予告編、The Beatles の曲使ってるのもいいですし、本編観た時に心をわし摑みにされたシーンが入ってますね。でもね、本編を観ていただくと全然意味が違ってくると思うので、是非本編を観ていただきたいです。凄い素敵で、なんだかとても悲しくて切ない、そしてそこはかとなく美しいシーンなのです。

2020年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞でも多くの賞にノミネートしている作品でもありました。

ちなみに、スカーレット・ヨハンソン演じるニコールが雇う弁護士、ノラ役のローラ・ダーンが助演女優賞をアカデミー賞でもゴールデングローブ賞でも受賞されています。弁護士ではアダム・ドライバー演じるチャーリーの出会うジェイとバートと言う弁護士が登場するのですが、このお二人も凄い好きですけどね。弁護士と言う職業柄、頭のいい賢いと言ったイメージがありますが、登場する弁護士がまぁ皆まともじゃないですよね。さすがアメリカ・・・でした。

第92回 アカデミー賞(2020年)

受賞

助演女優賞 ローラ・ダーン

ノミネート

作品賞
主演男優賞 アダム・ドライバー
主演女優賞 スカーレット・ヨハンソン
脚本賞 ノア・バームバック
作曲賞 ランディ・ニューマン

第77回 ゴールデングローブ賞(2020年)

受賞

最優秀助演女優賞 ローラ・ダーン

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)
最優秀主演男優賞(ドラマ) アダム・ドライバー
最優秀主演女優賞(ドラマ) スカーレット・ヨハンソン
最優秀脚本賞 ノア・バームバック
最優秀作曲賞 ランディ・ニューマン

鑑賞する前から、1979年の「クレイマー、クレイマー」を思い起こさせるなと感じていましたが、うん、なんとなく時々心を過ぎるものが近い気がします。そりゃそうか。どちらも離婚と親権を争う裁判が主軸にありますしね。

色々考えさせられました。

運命ってなんだろう?恋に落ちた二人が、やがて別々の方向へ進み始めて、意外にも本人たちの思惑通りにふたりの関係は進まない、別に嫌いになったわけじゃないのに。

気になった方は是非観て観てください。わたしが住んでいて車で運転して日々オーディションに向かったりして過ごしたLAエリアが沢山登場して、懐かしい気持ちも溢れました。

カリフォルニアはね、広々していていいところなんですよ。

ではまた来週、映画の話をしましょうね。

オノユリ

百万円と苦虫女

2008年製作/121分/日本
配給:日活

タナダユキ監督、蒼井優さん主演映画『百万円と苦虫女』鑑賞。

12年前の作品です。魅力的な作品ですね。

蒼井優が演じる主人公の鈴子がひょんなことから前科持ちになってしまい、実家を離れて各地を転々としながら生活していく姿を描いた青春ロードムービー。本作で監督のタナダユキが第49回日本映画監督協会新人賞を、主演の蒼井優が芸術選奨新人賞(げいじゅつせんしょうしんじんしょう)、映画部門を受賞した。(Wikipediaより)

コエボンラジオ内「オノユリの映画の話をしましょうよ」で何作も蒼井優さんの作品を取り扱っているのをご存知の方はおわかりと思いますが、蒼井優さん好きなんです。岩井俊二監督「リリィ・シュシュのすべて」(01)李相日(リ・ソウジツ)監督作「フラガール」(06)白石 和彌(しらいしかずや)監督「彼女がその名を知らない鳥たち」(17)真利子 哲也(まりこ てつや)監督「宮本から君へ」(19)・・・本当に面白い素晴らしい作品にたくさん出演されていて、どの作品を見ても全く違う魅力を発光している透明感の塊女優さんです。

今回は「百万円と苦虫女」についてお話しします。

とてもローカルな日本のロードムービー。蒼井優さん演じる鈴子が旅をするのですが、不思議で見たことない物語なのに、なぜかうんうんと頷ける、そんな物語です。人との繋がりが苦手で友達がいない鈴子が、旅先で滞在するところや仕事に巡り合ってお金を溜める、そしてそこで広がっていく彼女の魅力に魅せられる人たちとの関わりあい。常に「困った」ように笑い、断り切れない鈴子に頷いている鑑賞者、多いだろうなぁ・・・と思いながらわたしもその一人。こんな顔をしているのか・・・と苦虫女顔になってたと思います。

キャスティングもとても良くて、旅先へ行くたびに少し羨ましくなります。何かを思い切って捨てていくから、新しい場所で新しい出会いにちゃんと巡り会うんでしょうね。海の家は青春感があって同じ体験しようかな?と思った方もいるのではないでしょうか?映画の中でも出てきましたが、リゾートバイトってあんな感じなんでしょうかね?青春満喫出来そう。

そして、山に住む編ですよ。わたしの中では、2003年のデンマーク映画、ラース・フォン・トリアー監督ニコール・キッドマン主演の「Dogville」を彷彿とさせて一瞬背中を冷たいものが走りましたよ。気になった方は、どちらの作品も観てみて下さいね。全然別物の作品ですが、どちらの作品も楽しめると思います。

そして、「世界の中心で、愛を叫ぶ」「モテキ」「苦役列車」の森山未来さん待ち受ける、町編。森山未來さんのご出演は知らなかったのですが、ここへ来て「とうとう来た〜」と言う気持ちが溢れてしまうのはなんなんでしょう。町編は、普通の大学生を覗き見しているような気持ちになって、本当に普通でなんだかもぞもぞムズムズ・・・避けて通れない道をみている様な感覚。「うん、わたし、少し大人になるんだ」みたいな感じです。わかるかなぁ?

そして、海編・山編・町編、全編に渡ってずっと気になっているのが、鈴子と弟との関係。旅に出発前の鈴子と全編に渡って鈴子の弟に関して、ずっと居た堪れないけれど、それでも鑑賞後は上を見上げて気持ちよく伸びを出来る、そんな映画です。

今の時期くらいから、夏手前に掛けて、なんとなく鈴子の残り香漂う時期だと思います。

是非、彼女が通り過ぎていくのを感じてみて下さいね。

 

オノユリでした。