MODERN LOVE

コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。

「女優オノユリの映画の話をしましょうよ」のお時間です。

日本時間1月21日未明に、大統領就任式があり、無事にトランプ元大統領が退任され、バイデン新大統領が第46代大統領に就任されました。

いや〜本当に何事もなく、そしてなんだかわびしかった、すす枯れたような、錆びて朽ちる鉄を見るような心持ちを抱きはじめていたアメリカという国に、潤いが溢れ出る瞬間が訪れるような、そんな希望に満ちた美しく晴れ渡った就任式に感じました。良かった!!バイデン新大統領、ご高齢ではありますが、どうかお身体にお気をつけて、輝きを失わず、アメリカと言う分断が明るみに出てしまった国を、みんなが平等と感じる大きな国へご出港ください!

就任式を視聴しながら改めて、またアメリカに帰りたい、ふとそう考えていました。わたしはやっぱり海外で映画の仕事を自由にできるように活躍したい。そのためにもしっかり技術を磨いていつでも飛び出せるようにたくさんのお仕事をこなして行きます。日本でも、いろいろな国の方とつながって、しっかり前進してまいります。こんな風に、未来をわくわくと描ける就任式が行われたこと、本当に素晴らいです!

さて、本日の作品をご紹介しましょう。

MODERN LOVE

〜今日もNYの街角で〜

本日お話するのは、Amazon Prime Videoのシリーズ作品です。

誰かと映画のお話をすると、この人はこんな作品を鑑賞するんだ?なんて意外性に驚いたり、聞いたことのない映画タイトルにわくわくしたり、その映画に出会った理由が知りたくなったり、可愛い作品が好きな人への見る目が変わったり、ホラーが好きな女の子の理由に思わずホラーに挑戦してみようか…と勇気を抱いたり、映画がきっかけで沢山のヒントをもらうことがあります。この、コエボンラジオ「女優オノユリの映画の話をしましょうよ」でも、リスナーさんに映画を教えてもらってお話をしたこともありますし、そうすることでまたわたしにとって新しい扉が開いたような感覚があり、映画のお話を人から聞くのも大好きなんです。

お話を聞くと映画の価値観が割と近くて、時々わたしよりも尖っている、センスのとびっきりいい女性と緊急事態宣言前にランチをする機会がありまして、彼女が教えてくれたのが、この「MODERN LOVE」でした。最初は、映画ではないから…と思っていたのですが、鑑賞し始めたら素晴らしくて素晴らしくて…いろいろ考えを膨らませ、お話をしよう、と思い立ったのでした。

「MODERN LOVE 〜今日もNYの街角で〜」

シーズン1は8編あり、全て大体30分と少しの物語です。

こちらの物語が、実は全てニューヨーク・タイムズ紙の人気コラム「Modern Love」に実際に投稿されたエッセーに基づくドラマなんです。

監督が ジョン・カーニー監督、シャロン・ホーガン監督、エミー・ロッサム監督、トム・ホール監督、とそれぞれの作品により監督が異なるのですが、その中でも総監督となるのかな?4編の監督をされているのが、ジョン・カーニー監督。先ほどお話した、センスのとびっきりいい女性、彼女がジョン・カーニー監督作品の「ONCE ダブリンの街角で」(06)「はじまりのうた」(13)が大好きで、ジョン・カーニー監督作品なら間違いない!と鑑賞始めたらやっぱりすっごくいいのよ!!と教えてくれたんですね。わたしも「ONCE ダブリンの街角で」(06)を鑑賞した時に、「これ…ドキュメンタリー?え、どっちだろう…どっちかわからないけど…すっごく面白い!何だろうこの世界観!」と感動しましたし、「シング・ストリート 未来へのうた」(15)は、一言、たぎりました!(わはは)

とくに、「MODERN LOVE 〜今日もNYの街角で〜」は、タイトル通り、実際に投稿されたエッセーと言うのが凄く伝わってくる、現在進行系ですごく身近にあるであろうModernなLoveについてのお話なのが、1話目を鑑賞した時点で伝わってきます。そして、そのタイトルと物語と LOVE/愛 の深さに、予期していなかったどうしようもない感動が押し寄せて、生きていることの素晴らしさや人間の面白さに対して深く深く 愛 を感じるのです。
ではまず、1話目はどんな物語かと言いますと…タイトルは「私の特別なドアマン」
別に普通の友達だった。ただ一方はNYに暮らす独身女性で、もう一方は女が暮らすドアマンだっただけ。男は門番やボディガード、時には親友や父親代わりを務めることで女の面倒をみていたのだ。(https://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%80%E3%83%B3%EF%BD%A5%E3%83%A9%E3%83%96-%EF%BD%9E%E4%BB%8A%E6%97%A5%E3%82%82%EF%BC%AE%EF%BC%B9%E3%81%AE%E8%A1%97%E8%A7%92%E3%81%A7%EF%BD%9E-%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%B3%EF%BC%91-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88/dp/B07YVKRXRG
この物語が、なんとも優しい愛しい、愛が溢れ出る、そしてなぜだかギュッと切ない気持ちにもなるとても素晴らしい物語なんですよ。もう、この物語を観た瞬間から「MODERN LOVE」に恋に落ちてしまっていました。
この主人公の独身女性マギーが毎度新しい彼氏と出会うたびに家の前でちょっと焦るんです。元軍人で狙撃手だったドアマンのグズミンに見られて「不合格」と反対されることが頭を過るんです。そして、毎度「不合格」とされます。グズミンに見守られつつ、マギーは未婚の母となり、自分の才能を活かすチャンスに出会い、LAに渡り5年後に新しいパートナーと共にグズミンの元に現れます。グズミンはその瞬間「彼は合格」と言います。そして、戸惑うマギーに「私はいつも男の方を見ていたわけじゃない。あなたの目を見ていたのです。」と答えるのです。
女性が揺れる姿、悩んだり、軽い気持ちだったり、なんだかよくわからない気持ちだったりが、等身大で、そこに立っているドアマンのあまり表に出てこない感情にふと見える後ろ姿に無性に泣きたくなってしまう、物語でした。とても現実的な、愛のカタチ。MODERN LOVE。
他のストーリーも現代的で現実的な愛のカタチが、心の中にストン、ストン、と落ちてくる。そして心地よい。
出演がとっても豪華で、アン・ハサウェイ、ティナ・フェイ、デヴ・パテル、映画館のスクリーンで見慣れているスターたちが個々の物語を盛り上げます。

こんなに豪華で、物語が面白くて、1編あたり30分くらいで、鑑賞しない理由がないですね。ただ、あんまりにこの「MODERN LOVE」がわたしには愛おしくなってしまって、一気に見るのが勿体なくて、「次が見たい!次がみたい!」と焦らせる心を落ち着かせ、ゆっくり鑑賞いたしました。

あー幸せな時間だったなぁー!!

優しくて暖かくて、心がとっぷり潤う、素敵な8篇の物語「MODERN LOVE」もし、amazon primeで鑑賞出来る環境でしたらぜひ30分ほど、費やしてみて下さい。

どなたにでもおすすめだと思います。

ではまた来週、映画の話をしましょうね。

オノユリでした。

ソウルへGO!!

2015年製作/1時間49分
原題:Seoul Searching

監督:Benson Lee

Cast

Cast overview, first billed only:
Justin Chon Justin Chon Sid Park
Jessika Van Jessika Van Grace Park
In-Pyo Cha In-Pyo Cha Mr. Kim
Teo Yoo Teo Yoo Klaus Kim
Esteban Ahn Esteban Ahn Sergio Kim
Rosalina Lee Rosalina Lee Kris Schultz (as Rosalina Leigh)
Albert Kong Albert Kong Mike Song
Heejun Han Heejun Han Chow
Crystal Kay Crystal Kay Jamie
Nekhebet Kum Juch Nekhebet Kum Juch Jackie Im
Uatchet Jin Juch Uatchet Jin Juch Judy Im
Sue Son Sue Son Sara Han
Gwi-hwa Choi Gwi-hwa Choi Mr. Chae (as Guyhwa Choi)
Seong-guk Choi Seong-guk Choi Gangster Song
David Lee McInnis David Lee McInnis Sergeant Gallagher

コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。女優オノユリの映画の話をしましょうよ、のお時間です。

昨年、このラジオにも何度か出演してくれている、わたしの良き友人で、女優でシンガーソングライターの美しい人、本間愛花さん が会社を立ち上げて事務所を構えました。事務所…わたしの住まいに近いのですが、まだ伺ったことないのですよね。近くに美味しいお店があるので、二人でランチをしたりもしたのですが、事務所へは伺っていないのです。あれ?

「きてきてー」とは言ってくれるのですが、いつ迎え入れてくれるのでしょうか(笑)近くに住んでるのに…ねぇ。

なにかお祝いを…と漠然と考えていたのですが、中々お祝いに贈るものを思いつかなかったのです。「事務所の内装も徐々に…」と言っていたので、お役に立てるもので彼女の側で元気をもらえるようななにか…と言うことで、手間のかからなそうな観葉植物にしようと思い付きました。ただ、やはり本人のイメージする事務所のテーマのようなものがあるかもしれませんし、わたしは伺ったことがないからわからないし…と言うことで、幾つか本人に写真を送ってどれがいいか尋ねました。

実は、内心この観葉植物が一番彼女に似合いそう!と思っていた植物がありました。

ストレリチア、オリーブ、モンステラ、パキラ、この4種類の観葉植物はお祝いの贈り物にもふさわしく、丈夫で強いので、それぞれの花言葉と豆知識と一緒に本人に尋ねると、ストレリチアかオリーブ、との希望でした。オリーブは、わたし自身育てているのもあり、とても強い植物なのでおすすめではあるのですが、実は彼女に一番似合いそうと思っていたのが、ストレリチア、日本語では極楽鳥花という火の鳥のようなお花を咲かせる植物でした。花言葉は「輝かしい未来」彼女の側で、エネルギーたっぷり元気にのびのび育ち、暗闇の中でもきっと輝かしい未来を照らしてくれるような、こちらのストレリチアを贈りました。

本間愛花さんとわたくし、オノユリは以前 塩屋俊(しおやとし)先生のもと、Actors Clinicと言うわたしたちにとって特別な場所でお芝居の勉強をしていた同期なのです。その頃から何年も経ち、今どうしているかわからない仲間もいる中、お互い刺激をもらいながら、わたしは彼女に勇気ももらいながら、今もこうして芸能で生きている、共有する過去が溢れるほどある仲間です。

本日お話する映画は、韓国映画ですが、少し趣がちがいます。

どのようなお話でしょうか?

ソウルへGO!!

2015年製作/1時間49分
原題:Seoul Searching

監督:Benson Lee

1986年、海外で生まれ育った韓国系の少年少女達は、ソウルへやって来た。サマーキャンプで自分達のルーツに触れる彼らの、熱くてまぶしい青春の一夏が始まる。(netflix https://www.netflix.com/jp/title/80106230)

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韓国映画が好きで、よくこのコーナー「女優オノユリの映画の話をしましょうよ」でもお話していますが、ちょいちょい苦手な分野があったりします。韓国映画の場合は、ラブコメディとコメディが少し苦手です。苦手というよりも、韓国のスリリングなミステリーやドラマが好きすぎる…というのがおそらく原因かもしれません。

本日お話する『ソウルへGO!!』はタイトルがコメディ感あって、なんとなく鑑賞してこなかっかった作品です。すみません、いつもなんだか偏ったことを言っているわたしです…。

この作品、鑑賞してあれ?と気づいたのですが、結構全編英語なのです。韓国語は圧倒的に少ないです。

まず、この主人公たち1986年の韓国系少年少女たちがなぜ海外で生まれ育ったかと言うと、朝鮮戦争がきっかけなのです。この主人公たちの親の世代、1950年から朝鮮戦争が始まります。この戦争が、残虐を極め、「数百万人が犠牲となり国が壊滅状態で、人々は故郷を失った」このように『ソウルへGO!!』の、物語は始まります。余談となりますが、この朝鮮戦争の開戦がきっかけで、太平洋戦争で敗戦しボロボロだった日本は朝鮮特需ができ、急激に戦後復興と経済成長していったのです。

韓国と北朝鮮の休戦後、『ソウルへGO!!』の主人公の親世代たちは夢と希望を抱え移住していきます。子どもたちに同じ思いをさせないと願って。けれども、そこに起こった問題が、子どもたちが他国の文化に染まり、韓国文化に馴染めなくなってしまう、ということでした。親ですら、自分の子供を他人のように感じてしまうといったケースもあったそうです。そして80年代に韓国政府が取り組んだのが世界中にいる韓国系の2世を韓国に招き、サマーキャンプを行い、韓国の文化に馴染んでもらう、と言った取り組みでした。しかし、その取り組みは、たった数年で終わったそうです。なぜなら、海外育ちのティーン・エイジャーは、誰の手にも負えなかったから!という、実際にあったお話が元になっているのですが、実はベンソン・リー監督の実体験なのでは?とも言われています。

少年少女の中で、メインが5-6名いて、全員海外生まれの海外育ち、その中のひとり、シド・パーク役のインパクト大な男の子は、なんか引っかかるなぁ・・・と思ったら、わたしが住んでいたOrange Countyの生活していたエリア出身の方でした。Orange Countyは役者が多いので、当時一緒に遊んでたかもしれないですね(笑)そうそう、わたしの住んでいた所は、2ブロック先に韓国のスーパーがあるほど韓国人が多くて、わたしの乗っていた車も韓国人の整備士さんにいつもお世話になっていました。アメリカのスーパーよりも、どこか懐かしい韓国のスーパーが好きでよく行ってました。数年前にお仕事で中井プロデューサーと顧客とLAとOrange Countyへ行く機会があり、その時に懐かしすぎて行きたくてお二人を韓国スーパーへお連れしたんですよー!(爆笑)2人ともアメリカへ来たはずなのに一気に韓国に旅行に来たみたいな気分になっちゃって、日本では手が出ない箱入りの生うにを買ったりして、夜中に3人で食べましたね(大笑い)もちろん、仕事です。仕事。(笑)

少し脱線しましたが、映画『ソウルへGO!!』に出演している少年少女はほぼまさしく等身大の韓国系2世。韓国語が話せない、書けない子もいます。少年少女が一箇所に集められたら、そりゃパーティーが開かれるわけで、ここらへんは映画「アメリカン・パイ」シリーズを彷彿とさせますし、まさしくアメリカンな展開の映画なのですが、韓国がメインテーマの映画なので、すべてをアジア人で演じつつ、洋画のバランスが取れていると言う、アメリカンな韓国映画です。

そしてこの出演者たちが、それぞれ海外育ちなので個性が豊かで、5人しか挙げないのが勿体ないくらいなのですが、シド・パークはシド・ヴィシャスに憧れるパンクロックな少年。グレースはマドンナをセクシーに歌い踊る少女、クラウスはドイツで生まれ育ちドイツ人彼女がいる気品のある少年、セルジオはメキシコ生まれで心もメキシカンな陽気な少年…少年?(一応少年)クリス・シュルツは外国人のご夫婦に養子に迎えられた女の子。他にも紹介したいキャラクターいっぱいいるのですが、訳わからなくなっちゃいそうなので、ひとまずここまで!で、この5人を主軸にひと夏の青春を駆け巡るわけです。ブレックファスト・クラブのように、個性の違うみんなの心が右往左往するのです。

文化や歴史や言語、家族の背景。生まれ育った環境が違っても、既に言葉が話せなくても、心に『故郷』というものは存在するようなのです。

なんだろう、ティーン・エイジャーや学生のパーティーってほんとバカ騒ぎじゃないですか。言っておきますけど、経験があるので知っています。ただの馬鹿騒ぎです。あ、ごめんなさい語弊がありました。パーティーって大人になってもただの馬鹿騒ぎです。(笑)ただ、パーティって知り合うきっかけ、仲良くなるきっかけとしては最高の場だと思うんですよね。で、ティーンや学生なので、みーんな単なるばかでしかない、ないんですけど、本当はそれぞれに抱える背景があって、ばか騒ぎで一瞬忘れたって、人にはそう見えなくたって、自分の抱える心の寂しさ、のようなもの、は次の日には戻ってくるんですよね。

どんなに、海外生まれで海外育ちで自由奔放な彼らが羨ましくたって、みんな同じように抱えているものがあるのです。そして、一人ではどうしようもないことがあり、どんなきっかけでその問題と向き合うことになるのか、と言う、韓国の国内外を規模に大きな背景を描いてもいる作品でした。

韓国と日本って本当に不思議な国だなぁ、と思います。

ベンソン・リー監督『ソウルへGO!!』韓国系2世の少年少女がサマーキャンプで出会った一生の仲間たち。

一生の仲間を恋しく思ったり改めて大切に思ったり。わたくし、オノユリの場合は冒頭でお話した女優でシンガーソングライターの本間愛花との出会いと、Actors Clinicの仲間たちとばかみたいに笑って泣いた日々をぎゅーっと抱きしめるような時間を鑑賞後に過ごしました。

自粛期間、普段なんとなく選ばない映画も、鑑賞すると気づかない自分の存在に気付かされたりもしています。

ではまた映画の話をしましょうね、オノユリでした。

映画監督 キム・ギドク

2013年製作/83分/R18+/韓国
原題:Moebius
配給:武蔵野エンタテインメント

キム・ギドク監督

Cast

Credited cast:
Jae-Hyun Cho Jae-Hyun Cho・チョ・ジェヒョン Father (as Jae-hyeon Jo)
Yeong-ju Seo Yeong-ju Seo・ソ・ヨンジュ Son (as Young-ju Seo)
Na-ra Lee Na-ra Lee・イ・ウヌ Mother / Mistress (as Eun-woo Lee)

コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。女優オノユリの「映画の話をしましょうよ」のお時間です。1月9日、本日も映画のお話をしていきましょう。

東京は、1月7日(木)に緊急事態宣言が発出されました。この宣言に伴い、感染に歯止めがかかることを願うばかりです。毎年、1日か2日には初詣へ伺うのですが、今年は伺わず、運動不足を補うために長距離散歩を行っていました。そして、8日に思いついて、長距離散歩で明治神宮へ行ってまいりました。明治神宮は例年日本一の参拝者数を集める神社です。結構な長距離でした(笑)1時間以上かかって段々と見慣れた景色が広がってきて「あ〜原宿あたりにきた〜」なんて思っていたら、「んっ!?」とびっくりしたのですが、原宿駅が、見たことない駅になっていたのです。いつの間にか、新しい建物が生まれていて、駅の中にカッフェもあったりして、思わずぱしゃぱしゃ写真を撮りました…。家で小さく縮こまっておとなしく2020年を過ごしている間に、着々と東京は動いているのだなぁと身にしみました。

年末に、親友と呼ばせていただいているサンタクロースから、サプライズで手作のアクセサリーとマスクが送られてきたのですが、もったいなくて使えないなぁ…と思っていたのですが、せっかく神様に新年のご挨拶に伺うわけですから、コロナがまもなく収束したら使わなくなることも踏まえて、新品の手作り布マスクをつけて行きました。わたし、布マスクをまだ使ったことがなかったので、肌当たりの良さに感動してうきうきしていたのですが、これが、少し走ったりして呼吸が乱れると、布が密着して、凄い苦しいんですね。外気と自分の呼吸の温度差で鼻がゆるくなったり。室内で大人しくしているお仕事のときなど、とっても重宝するけれど、マラソンには向かないということがわかりました。(笑)みなさまも、コロナ収束で使わなくなるだろうマスクをとっておきの日用にとってある場合は、お気をつけくださいね。明治神宮と東郷神社でしっかりみなさまの健康と笑顔多めの1年と、コロナ収束祈願をしてまいりましたので、緊急事態宣言も安全に健康に、前向きに、映画を沢山鑑賞して過ごしましょうね。

さて、少し話が前後しますが、1月2日(土)に川越スカラ座へ初めて伺ってまいりました。もちろん、井筒和幸 監督 8年ぶりの新作映画「無頼」を鑑賞しに。このコエボンラジオ「女優オノユリの映画の話をしましょうよ」に井筒監督がご出演される際に、資料として映画「無頼」をお借りして、公開前に2度ほど鑑賞しておりましたが、どうしても映画に登場するスカラ座で「無頼」を鑑賞したい、と思っており、井筒監督にもその旨豪語しておりましたので、ようやく伺えて感慨深かったです。スカラ座は埼玉県最古の映画館なのですが、140席以上あって入り口の割に大きめな印象をうける映画館です。現在は座席数が制限されていて、43席で満席。悲しくも贅沢な空間でした。「無頼」もやはり映画館での鑑賞は最高ですね。何しろ、出演者が400名以上登場しますからそのエネルギーは映画館で浴びるように観るのが醍醐味です。最後はうるうる心痺れました。緊急事態宣言下で、映画館の未来が本当に心配です。文化や歴史のあるスカラ座を含め必死に頑張っている映画館…だけじゃないですね。医療従事者のみなさんも、飲食業のみなさまも、様々な業種のみなさま…とにかく守りたい。わたしは非力ですが、ここから応援をしております。コロナの収束とみなさまの幸せを、心より願っております。

Multifunctional FILMANIA

本日、お話するのは、キム・ギドク監督についてです。

キム・ギドク監督作品と出会ったのは、ある日本人映画監督のワークショップの課題だったと思います。おそらく、その日本人映画監督も韓国映画にハマっている時期だったのだと思います。そこで鑑賞した映画『悪い男』に衝撃を受けまして、かなり鑑賞しました。

『理解できない世界がこの世にはあり、それはわたしには目が離せないものなのだ』

そんな世界を生み出していたのが、キム・ギドク監督です。

2020年12月11日新型コロナウイルス感染症のためラトビアでご逝去(せいきょ)されました。

 

キム・ギドク監督作品は、軽々しく「好き」と言うと語弊が生じるのではないかと思う作品でもあります。

冒頭に紹介しました、2001年の『悪い男』はソウルだけで30万人を動員するヒットを記録した映画で、わたしも立て続けに3回は鑑賞した作品で、心情的には「すげぇ好き」な映画なのですが、ちょっと語弊があり、もう少し説明を足すと『理解できない感情に襲われて目が離せない』作品。でした。

キム・ギドク監督

キム・ギドク監督について少し説明しますと

30歳でパリに渡り、1990年から92年まで路上画家として生計を立てながら、当時公開されていた映画「羊たちの沈黙」(90)や「ポンヌフの恋人」(91)などを観て映画の世界に足を踏み入れることを決める。帰国後に映画「画家と死刑囚」(93・日本劇場未公開)で脚本家デビューし、96年「鰐 ワニ」で映画監督デビュー。映画「魚と寝る女」(00)と「受取人不明」(01)がベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、高い評価を得る。(映画.com https://eiga.com/person/26246/

『春夏秋冬そして春』(03)は韓国映画界最高の栄誉である大鐘賞(テジョンしょう)と青龍賞(チョンニョンしょう)の作品賞を受賞。全米では韓国映画史上最大のヒット作となった。(wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%AE%E3%83%89%E3%82%AF)

その後も「サマリア」(04)では第54回ベルリン国際映画祭の銀熊賞(ぎんくましょう)、「うつせみ」(04)では、第61回ベネチア国際映画祭の特別監督賞を受賞する。映画「悲夢(ひむ)」(08)以降一時映画界から離れるも、3年後、隠遁(いんとん)生活を送る自分を撮ったセルフ・ドキュメンタリー「アリラン」(11)を発表。同作は第64回カンヌ国際映画祭のある視点部門で最優秀作品賞を獲得し、世界三大映画祭での受賞という快挙を成し遂げる。翌年には「嘆きのピエタ」(12)が第69回ベネチア国際映画祭で韓国映画初となる金獅子(きんじし)賞を受賞した。(映画.com https://eiga.com/person/26246/

『悪い男』からキム・ギドク監督の作品を貪り観たのですが、「受取人不明」や『春夏秋冬そして春』等、わたしにとって『理解できない世界』が『目を離せない魅力』を超えてしまうこともしばしばあり、2013年に公開された『メビウス』にはかなり心を揺さぶられました。あまりに衝撃的な映画告知に、恐ろしさを感じ、鑑賞できなかったのでした。

そういう作品って、ずっと心から離れないんですよね。

かなり勇気が入りましたが、この作品が公開されたときから、キム・ギドク監督の「ヤりたい事を成し遂げられた作品」と言う印象がかなり強く、今回キム・ギドク監督についてお話するのであれば、この映画を鑑賞せずにはお話できないように思い、鑑賞いたしました。

メビウス

その狂気に満ちた過激すぎる内容から韓国で上映制限がかけられた問題作です。

韓国のとある上流家庭。夫の不倫に嫉妬心を燃えあがらせた妻は、夫の性器を切り落とそうとするが失敗し、自分の息子に矛先を変える。息子への罪悪感に苦しむ父は、ある方法で解決策を見出し、息子と新たな関係を築いていく。

全編にわたってセリフはありません。セリフの排除された世界で、人間の欲望や家族についての壮絶なドラマを描いていきます。夫役は「悪い男」のチョ・ジェヒョン。妻と夫の愛人役の二役をイ・ウヌ。息子役をソ・ヨンジュ。

この、妻役の イ・ウヌ さんのシーンが、この映画の告知で使われているのですが、その狂気漂う魔女のような表情が怖くて、話の内容も怖いし、セリフないと聞いていたのもあり、鑑賞までのハードルが今までかかりました。

鑑賞していると、その魔女のような奥様を尻目に夫がニヤニヤデートする女性がまた愛らしい女性なんです。最初は、やけに普通な印象の方だな…と思っていたのですが、妻が失踪したあと、その愛人役の女優さんがどんどん美しくみえて来て、あれ?こんな 田中みな実さん のような美しい女優さんだったんだ…なんて思い始め、物語のどうしようもない歪み痛み不快感痛み痛みいたい!内容の中の癒やしのような柔らかさを彼女に感じました。

妻と夫の愛人役が同じ女優という事を冷静に受け止めたとしても、キム・ギドク監督…大丈夫かな?とおもえてしまいます。

ストーリーも一線を超えてしまっていますし、その場でのあらゆる感情の中で言葉を発することを禁じられているような役者を観るのは正直苦しかったです。そこで役者が言葉として出せない感情を出す方法は全身全霊でしか無く、もしも自分だったら…と思うと、撮影期間はまさしく恐怖体験となるだろうと思えました。

ただ、そこで表現されていたのは、明らかにキム・ギドク監督の生み出す

『理解できない世界がこの世にはあり、それはわたしには目が離せないものなのだ』

ということでした。

キム・ギドク監督、心より追悼いたします。

Rest in Peace.