2020年製作/132分/G/アメリカ
原題:The Prom

Director: Ryan Murphy・ライアン・マーフィー

Cast

Cast overview, first billed only:
Meryl Streep Meryl Streep・メリル・ストリープ Dee Dee Allen
James Corden James Corden・ジェームズ・コーデン Barry Glickman
Nicole Kidman Nicole Kidman・ニコール・キッドマン Angie Dickinson
Kerry Washington Kerry Washington Mrs. Greene
Keegan-Michael Key Keegan-Michael Key Principal Tom Hawkins
Andrew Rannells Andrew Rannells Trent Oliver
Ariana DeBose Ariana DeBose Alyssa Greene
Jo Ellen Pellman Jo Ellen Pellman Emma Nolan

コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。オノユリの映画の話をしましょうよのお時間です。

先週、先々週と井筒和幸監督をゲストにお迎えし、映画『無頼』について贅沢なお話をたっぷりお伺いいしました。「映画『無頼』が封切られてから、大評判でヒットし始めています。」と井筒監督よりご連絡いただいております。引き続き、コエボンラジオ「オノユリの映画の話をしましょうよ」でも映画『無頼』を応援してまいりますので、みなさまも大評判の『無頼』を是非ごらんになって感想などお寄せくださいね。公開したばかり、2021年のお正月映画、井筒監督の『無頼』全国で順次公開中です。

『無頼』のお得な全国共通前売り券ご希望の方は、jca@jat.or.jp へお問い合わせ下さい。1枚1400円なので、1枚でもお得ですが複数枚ご購入の場合はかなりお得です。東京ではお取り扱いがないお店が多いので、お気軽にメールを頂ければと思います。

さて、本日お話する映画は、12月4日公開、12月11日配信開始された新作映画です。

THE PROM

2020年製作/132分/G/アメリカ
原題:The Prom

Director: Ryan Murphy・ライアン・マーフィー監督

わたくし、アメリカのドラマシリーズ「Glee」が大好きなんです。もう、本当に夢中で観ていました。役者の勉強を日本でも初めてまもなく、感情の勉強をしている時に、自分が一番幸せ!と思う瞬間を用意しなければいけないクラスがあって、何を持ち込んでもokなのですが、わたしはタブレット端末を持ち込んで、「Glee」のエピソードの中でも特に幸せを感じたエピソードの、最も幸せな瞬間を鑑賞し始めたんです。1〜2分かな?で、2分後わたしの顔を見た先生に爆笑されました。「ひと目で幸せなんだなって伝わる!」と。それほどわたしの心を今でも揺さぶり続ける大好きなドラマシリーズが「Glee」なのですが、この「Glee」のエグゼクティブプロデューサー、監督、原作、脚本などを務められているのが、本日おはなしする『The Prom』のライアン・マーフィー監督なのです。

Story

メリル・ストリープとニコール・キッドマンが共演し、テレビシリーズ「glee グリー」のライアン・マーフィが監督を務めたNetflixオリジナルのミュージカル映画。

インディアナ州の田舎町で同性の恋人とプロムに行きたい女子高生を応援するために、落ち目のブロードウェイスターたちが、町に乗り込んでくる。(Netflix: https://www.netflix.com/title/81079914

共演は「ワン チャンス」のジェームズ・コーデン、「ザ・プレデター」のキーガン=マイケル・キー、「ジャンゴ 繋がれざる者」のケリー・ワシントン。Netflixで2020年12月11日から配信。

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ライアン・マーフィー監督の「The Prom」ですが、原作はブロードウェイでミュージカル作品賞を始めトニー賞6部門にノミネートされた「PROM」なんですね。うわぁ、この作品ブロードウェイで鑑賞したかったですね・・・。これだけ華やかな作品はブロードウェイでみたら相当感激すると思います。

もちろん、原作とはまた違う作品かと思いますが、ライアン・マーフィー監督の「The Prom」は流石、わたしの大好きな「Glee」の世界を彷彿とさせる歌唱!それにダンスはキレッキレ!全編を通して煌びやか、華やか、陽気!心を大いに盛り上げてくれます。

更に、落ち目のブロードウェイスターたちが、実際のスターたちっていうのが最高なのです。

最高にかっこいい女優、メリル・ストリープが落ち目のスター!

ミシェル・オバマ大統領夫人も出演したアメリカのコメディ番組「レイト・レイト・ショー(Late Late Show)」の司会を務めるジェームス・コーデンが落ち目のスター!

美しすぎて素晴らしい芝居がその圧倒的美貌で隠れる女優、ニコール・キッドマンがコーラスガール!

嘘でしょ・・・って笑ってしまうような布陣なのです。

そして本物のスターたちのオーラたるや。もう、華やかできらびやかでとにかく楽しい!

ストーリーは、10代の女子高生のLGBTQが主軸で、全くLGBTQが受け入れられていない世界に生きる女の子の前向きさが素晴らしいです。身近にLGBTQの方がいる方と、身近に感じられたことのない方ですと、映画の感想は全く違うかもしれないですね。LGBTQ、セクシャルマイノリティを表現する言葉で、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの頭文字と、そのLGBTに当てはまらない方、LGBTの総称、クィア (Queer)が含まれLGBTQという、言葉で表現されています。

LGBTQが理解されていない世界でレズビアンとして生きて行くことってこんなに辛いの?と思わされました。ライアン・マーフィー監督の「The Prom」本当に明るく楽しい物語なのですが、その中でもにこにこ前向きな女子高生の境遇が辛くて、実際に彼女が存在したら…と考えたらぞっとしました。

ライアン・マーフィー監督の「The Prom」いいところがたくさんあるのですが、LGBTQを理解しやすいところが面白かったんですよね。常々、アメリカの大統領が敬虔なクリスチャンと聞くと、わたしの心をよぎるのが、LGBTQ反対派なのかな?ということでもありました。聖書というのは「アダムとイヴ」の物語から始まりますよね。そして、その教会に通う人に対してはなんとなく漠然といい人、真面目な人、のようなイメージを描くところがありませんか?そこをですね、この映画では分かりやすくつついてくれるのです。人間ていうのは適当な生き物なのです。(笑)語弊がありますね。わたしは、自分が本当に適当な人間だなぁ。と思うのです。(笑)

そしてこの聖書の話をするシーンが、わたしが「Glee」でも大好きなシーンの1つでもある、巨大なショッピングモールをつかっての最高に盛り上がるシーンの一つでもあるのです。ライアン・マーフィー監督のお気に入りなのかな…?と思うと、このお会いしたことのないライアン・マーフィー監督が凄く身近に感じられたり、あのモールシーンを大好きな人がいっぱいいるからだなぁ、と思うと「Glee」で初めて登場したモールシーンを思い出して泣きそうになったり…。実に個人的な感想を本日は盛り込ませていただいていて(笑)ありがとうございます。

個人的な感想の続きで言ってしまうと、ライアン・マーフィー監督の「The Prom」40%くらいは残念に思うところがありました。理由はね…今思うと、「Glee」じゃないからなのかなぁ…。ミュージカル映画にたいして結構はっきり「好き」と「そうでもない」にわたしは分かれるんですよね。具体例を出すと、映画『CHICAGO』は大大大大好きな作品で、『バーレスク』は全然そうでもない。なんとなく自分ではルールが分かるので、「そうでもない」部類に入りそうな映画は自然に避けてたりします。実は「The Prom」もライアン・マーフィー監督でなかったら鑑賞していなかったかもしれません。自分の割り振ってるルールが全然わからないのですが、ひょっとしたらミュージカル映画と言うジャンルが「そうでもない」なのかもしれないですね。例外がたくさんあるだけで(笑)

ライアン・マーフィー監督の「The Prom」40%は、好きの裏返しにあるとおもいます。ニコール・キッドマンがわたしの愛する『CHICAGO』へのオマージュを捧げた時にもっと聴きたい!!が満たされなかったのだとおもいます。わたしの愛する『Wicked』に登場する「グリンダとエルフィー(エルファバ)」という単語は登場するし、心は「あの歌!!」が流れているのですが、聴かせてもらえない…そのモヤモヤが積もったのかもしれないです。要するに、わたしの愛するものたちがライアン・マーフィー監督の「The Prom」のいたる所に存在して、わたしはそのたびに「オリジナルの愛するもの」を観たくなってしまうのですが、観れないもやもや。これです。

みなさんはどのような感想をお持ちになるでしょうか?

ぜひ、教えてもらいたいです。

ライアン・マーフィー監督の「The Prom」落ちぶれたブロードウェースターたちが再び名声を得るために、LGBTQの女子高生を利用しようとする煌びやかで、華やかな物語です。

映画は最高ですね。

また来週、映画の話をしましょうね、オノユリでした。