コエボンラジオをお聴きの皆さんこんばんは。7月31日土曜日の女優オノユリの映画の話をしましょうよのお時間です。わぉ!明日から8月ですか!今年は盛り沢山ですね!オリンピックが盛り上がっていて、毎日暑い話題に一喜一憂しております。日本の金メダルの数が過去最多って本当に凄い!アスリートの皆さんかっこいい!夏を盛り上げてくれてありがとう!今回の東京オリンピックは、アスリートの声が形となって現れて、凄く良いなと心が震えています。体操女子で、ドイツの選手たちが足首まで覆う「ユニタード」を着て出場とか、五輪競技ではありませんが、ビーチハンドボールでは今月、欧州選手権でビキニ着用を拒否し短パンでプレーしたノルウェーのチームが罰金を科せられ、SNS上でセレブリティを含むいろいろな方々がその罰金を変わりに支払う!といったムーブメントが起こっていて、ジェンダー平等が大きな意味で広がって世界が変わりつつあるのでは…なんて色々なことにわくわくしております。では、本日の映画の話を、しましょうか。

Late Night

2019年製作/102分/アメリカ
監督:Nisha Ganatra ニーシャ・ガナトラ
原題:Late Night

CAST

Emma Thompson

Emma Thompson as Katherine Newbury

Mindy Kaling

Mindy Kaling as Molly Patel

John Lithgow

John Lithgow as Walter Lovell

Hugh Dancy

Hugh Dancy

Reid Scott

Reid Scott as Tom Campbell

Denis O'Hare

Denis O’Hare as Brad

Max Casella

Max Casella as Burditt

Paul Walter Hauser

Paul Walter Hauser as Mancuso

John Early

John Early as Reynolds

Luke Slattery

Luke Slattery as Hayes Campbell

Ike Barinholtz

Ike Barinholtz as Daniel Tennant

Marc Kudisch

Marc Kudisch as Billy Kastner

Amy Ryan

Amy Ryan as Caroline Morton

STORY

長年TV業界で活躍してきたトーク番組の司会者が直面する降板の危機。男性スタッフばかりのチームに意欲的な女性ライターを起用し、イメージアップを図ることに。

NETFLIX “LATE NIGHT” 配信ページ

FILMANIA 映画の話をしましょうよ

いい映画を観たんですよ。隣でうちの父も一緒に鑑賞していまして、うちの父が「この映画次のラジオで使えるね」って推薦してくれたので、今回はその提案を受けることにしました。ただ、気がかりなことが1点ありまして。いい映画って、もうそれ以上お話することないんじゃない?ということなんです。特に先程あらすじのお話をしましたが、出来る限り色々省いてお話しようと思ってNETFLIXさんのサイトからご紹介したんです。毎回NETFLIXさんの紹介って凄く短くて、読んだだけではあんまり頭に入ってこないんですよ。これ、悪口じゃないですよ!わたくしオノユリにとっては、そこがすごく重要なんです。映画を100%楽しんでもらいたいから、作品によって異なるアプローチでお話したいんです。

では、今日の映画のお話はどうするの?ということになりますが、対策は2つほど考えておりますのでご安心下さい!

ニーシャ・ガナトラ監督の「Late Night」この作品をお楽しみいただくために、ちょっぴり馴染んでもらいたいのが、アメリカのコメディ文化。アメリカでは、全米ネットワークの深夜トーク番組で男性コメディアンがホストを務める Late Night Show、サタデー・ナイト・ライブ等 が日々放送されています。現在では映画の大スターになっているエディマーフィーも1980年にサタデー・ナイト・ライブのレギュラーとして一躍人気者となったお一人です。日本のテレビ番組を例に出すと、終了してしまってから時間が経ってしまいましたがやっぱり「笑っていいとも」かな。ゲストが来たり、みんなでゲームしてみたり、クイズをしたりメインMCのタモリさんを中心に繰り広げられる番組。アメリカのこういった日々放送されるコメデイ番組は、時事ネタをうまく取り込み、独自のスタイルで切り込みながら視聴者の笑いを誘う、アメリカのテレビ業界を牽引(けんいん)する存在です。そして本日お話しているニーシャ・ガナトラ監督『レイトナイト 私の素敵なボス』でエマ・トンプソン演じるキャサリン・ニューベリーは、そんな男性優位のテレビ業界で、女性ホストとして30年に渡り看板番組を背負ってきた先駆者的存在なのです。にもかかわらず、視聴率低迷を理由に番組降板の危機に!さらに「女性なのに男性びいき」という批判も飛び込み、状況を変えるために業界未経験のインド系アメリカ人女性 ミンディ・カリング 演じるモリー・パテルを自身のチームに雇い入れます。キャサリンは番組を立て直すため、モリーは自身の実力を証明するため、男性ばかりのチームの中で番組を盛り上げようと奮闘します。なかなかに「プラダを着た悪魔」(2006)を思い起こさせるのですが、2019年制作の今作ニーシャ・ガナトラ監督『レイトナイト 私の素敵なボス』には、もう1歩踏み出した…今の日本から見たら1歩どころではなく、数歩踏み出しているかな?といった多様性が含まれています。この多様性の描き方が、アメリカのエンタテイメント業界における女性の立場の弱さを50代の女性にメリハリ効かせて表現させたり、インド人女性のことを「移民で、女で、おそらくシングルマザーだから雇われたに違いない」と陰口叩くのが白人男性というのが分かりやすくて、日本に住む日本人にもとっても受け入れやすい作品です。

個人的には、エマ・トンプソン演じるキャサリンが、「女性の〜ではじめるこの記事、安っぽい」って冒頭のセリフ、スカッとしたんですよ。以前ラジオでもお話したのですが、女性・男性って言葉を、使うことになんとも違和感を感じるようになりまして、単語として使わないのは現実的ではなくて。そこで、「女性・男性」をその後に続く言葉を強調する時に使わないようにしているんです。例えば「女性映画監督」、とかね。「映画監督」でいいじゃない?って。あ、横道にそれますと、初めて女性の映画監督をゲストにお迎えした当時、実は指摘されたことがあるんです。ラジオ放送が始まってまだ4回目。初めて女性のゲストをお迎えすることになりどきどき緊張しておりました。凄く映像が綺麗で、もともとジャーナリストの勉強をされていた監督の作品はドキュメンタリーに苦手意識のあったわたしの価値観を変えてくれました。もともとラジオの放送初回は「はじめまして!オノユリの映画の話をしましょうよ」から始まって「初めてのゲスト」「初めてのドキュメンタリー映画監督」そして「初めての女性監督」…と初めてシリーズを意識していたのですが、「初めての女性監督」と紹介しただけでは、こちらの事情をご存じない方からしたら、よっぽど女性監督が珍しいともとられる発言ですよね。その一言だけでエンターテイメント業界の闇を浮き彫りにする発言になり得ると後から思い知り、その時一つ学んだのでした。なんか、ダサいな、自分。と。それをこの映画でスパッとかっこよくエマ・トンプソンが言い放ってくれるので、もう単純に、やっぱりエマ・トンプソン好きだわ〜!最高!と見事にこの映画にハマってしまったのでした。

一方で、主演のモリーを演じるミンディは、なんと今作「Late Night」の脚本も手掛けております。びっくりしました!ミンディは2004年に、イギリスのコメディドラマをアメリカでリメイクしたテレビシリーズ『ザ・オフィス』に出演しているのを観ておりまして。イギリス版も最高だけどアメリカ版も本当に面白くて、それからあれよあれよという間に、彼女のコメディ番組が始まり、気づけば「オーシャンズ8」でもみかけ、もはやイギリスの大女優エマ・トンプソン出演の脚本を手掛けるとっても多才なコメディエンヌとなりましたね!アメリカのコメディ映画は好きなのですが、コメディアンの番組、今作のような「レイトナイトショー」であったり「サタデー・ナイト・ライブ」のようなものは、わたしには分かりづらいことが多々あるのですが、ミンディのジョークは分りやすくて面白いな、と思うのです。で、ちょっと苦手なコメディアン番組が多い中、私のお気に入りの番組があって、Conan O’Brien(コナン・オブライエン)の番組なんですね。コナン・オブライエンの番組も分りやすくて面白くて大好きでよく観てたんです。そしたらなんと、ミンディは大学在学時にコナン・オブライエンがホストを務める深夜トーク番組『レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン』にインターンとしても参加していたんです!わ〜大好きで観てた番組!!凄い嬉しい!感激!!と興奮冷めやらなくなっちゃいましたよ。ミンディは実際の深夜トーク番組でのインターン経験があるからこそ、そしてハリウッドでの長年の経験を経ているからこそ、ニーシャ・ガナトラ監督の「Late Night」に真実味を深めることが出来るんですね。劇中の描写も細部までしっかりリアリティーがあって、ネタ決めからスタジオでの本番、実際に街に繰り出しロケを行う様子は実際のトーク番組制作の裏側そのもの!オノユリだったらキリキリ胃が痛む感覚までリアルです!

今、とてつもない速さで価値観というか時代そのものが変化しているように感じます。どうだろう?実はずーっと同じペースだったのかもしれないけれど。わたし自身のついている目の位置が変わっただけかもしれませんが。映画を通してお話するにあたって、映画の変化を感じます。作品の絵も物語もどんどん複雑になっているような。ずっと仕事で多忙で、映画は大好きだけど若い頃に観た作品の影響が強いうちの父と映画を鑑賞する時は、映画選びが難航します。邦画を見ることが多いですが、色々な国の多様な作品を鑑賞したいわたしは、その中でもうちの父が見やすそうな作品を選びます。今回は、そんな父が推薦してくれた「一生懸命なインド人の女の子が多様性枠とかじゃなくて自分の実力を認められたくてがんばる、そしてかっこいいイギリス人のベテランMC女性がベテランの皮を脱ぎ捨て足掻く姿が観られて、なんだかみんな愛しくなっちゃうし笑っちゃう映画」ニーシャ・ガナトラ監督の「Late Night」お楽しみいただけたら嬉しいです!気が向いたら感想もお願いします。

ではまた来週!8月の夏真っ盛り、みなさま素敵な毎日をお過ごしくださいね!また、土曜日に、映画の話をしましょうね。オノユリでした。