コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。1月15日土曜日の女優オノユリの映画の話をしましょうよのお時間です。

収録を行っているのは、15日より数日前なんですが。ありがたいことに、新年は少し忙しくさせてもらっていまして。参加させてもらった作品の関係で人に会う機会も増え、ちょっと予定通り収録が進まないと困るなと思いまして、早め早めに収録をしております。気にかかっているのが、オミクロン株で、人に会う機会が増えると、感染率の高さに気を引き締めなきゃなと。改めて思います。みなさまも、お気をつけくださいね。では、本日も映画のお話をしましょうか。

東京GOD FATHERS

2003年製作/92分/日本
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:今敏(こんさとし)監督

STORY

ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキ-。新宿で暮らすホームレス3人組の前に、意外なクリスマス・プレゼントがやってきた。ゴミの山の中で生まれたばかりの赤ちゃんを発見したのだ。勝手に“清子”と命名し、ゴッドファーザー(名づけ親)となった3人は、雪ふる街を、親を探してさまよい歩く。ウラ東京で、人生を生き抜くホームレスたちが、急転する「運命」の中で出遭う<奇跡>とは。

公式

FILMANIA 映画の話をしましょうよ

いやはや、あっという間の92分!とってもとっても面白い作品でした!今敏(こんさとし)監督の作品なので、パプリカを思い描いて、ちょっと今まで構えてしまっていたところがあったのですが、カジュアルに誰でもウェルカムでのめり込める作品でした。

でも、結構ツボは押してくるんですよ。マニアックな人ならきっとわたしでは気づききれていないところの様々なポイントに気づいてニッコリしているんだろうな、なんて勝手に想像してしまっています。

新宿で暮らすホームレス3人組、自称元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグクイーンのハナちゃん、家出女子高生のミユキ。設定もなんだかおかしいけれど妙に現実味があって、新宿ゴールデン街のめしや『深夜食堂』がちらりと頭をよぎります。「深夜食堂」観たことがある方ならなんとなく想像つきやすいかもしれませんが、お客さんたちがなにか足りないというか不完全。まぁ、人間くさいというか、人間臭さが強い人々。どこか新宿って、そういう人たちが集まってくる匂いがするのかもしれません。そんな新宿に暮らすホームレスの3人組。出会ってしまった生まれたばかりの赤ちゃん。ここからはもう、超スピードで物語が動き出します。すっごいテンポの早さで、今敏監督凄い…と改めてしみじみ体感いたしました。

一瞬先も想像出来ない映画です。映画とは知っていてもついつい溢れる「嘘でしょ…」の言葉。なのに、それでも、妙な現実感が漂って、なんだろう?なんだろう?この感じ。言葉にしたい、でもわたしの語彙力ではぜんっぜんたりない!ということで、映画評論家さんの評論なども読んでみました。あ、これこれ、この感じ、というのを見つけましたよ。『映画.com』より

実在の場所で地に足のついたドラマが展開しているように見えつつも、あり得ないぐらいの偶然の連鎖と、ほんの少しの奇跡がおこる本作には“大人のおとぎ話”とも言うべき不思議な雰囲気が漂っている。これは誰かが見ている夢なのかもしれないとすら思える、現実と夢が薄くないまぜになった心地よい酩酊(めいてい)感は、異色作というより今監督の真骨頂なのではないか。

五所光太郎(ごしょ・こうたろう)

”大人のおとぎ話”はとても素敵な言葉なのですが、わたしにしっくり来たのは『誰かが見ている夢』の部分。なるほど、パプリカにも通ずる今監督の作品ならではなのかもしれません。妙にリアルなクリスマスから、やたら現実的な大晦日までの数日間。ちょうどわたしが鑑賞したのがお正月あけで、たまたまわたしがいるのも新宿という街で、わたしという不完全な人間で、心の酩酊感によってギンちゃん、ハナちゃん、ミユキとオノユリの4人で一緒に過ごした数日間の物語のように錯覚していた気がします。

一瞬先が全くわからない作品だからこそ、ギンちゃん、ハナちゃん、ミユキの3人同じ気持ちでさっむい東京を一緒に彷徨える物語です。とっても面白かったのでぜひどうぞ。

では本日2本目の作品へ…

STAND BY ME ドラえもん

はい、本日の2作品目は結構悩みました。『東京ゴッドファーザーズ』と一緒に紹介する作品って…なんだろう?と。いや、これは個人的にはビンゴです。誰も納得しないとは思いますが、わたしの心はいたって盛り上がっております。

STAND BY ME ドラえもん

2020年製作/96分/G/日本
監督:八木竜一(やぎりゅういち)監督・共同監督:山崎貴(やまざきたかし)監督

STORY

何をやらせても冴えない少年のび太の前に現れたのは、22世紀から来たのび太の孫セワシと、ネコ型ロボット・ドラえもんだった。

そこで聞かされたのは、のび太とその子孫たちの未来。のび太は会社に就職できず、自分で会社を作るも倒産。莫大な借金を残し、子孫たちを困らせているという。

そんなのび太の未来を変えるため、お世話係として連れてこられたドラえもんだったが、乗り気ではない。そこでセワシはドラえもんに<成し遂げプログラム>をセットして、のび太を幸せにしない限り、22世紀に帰れなくしてしまう。

嫌々ながらも、のび太と暮らすことになったドラえもんだったが、次第に仲良くなる二人。そして、のび太の幸せのため、クラスメイトのしずかちゃんとの結婚を目指すことになる。

果たして、のび太は幸せな未来を手に入れることが出来るのか。そして、ドラえもんは22世紀に帰ることが出来るのかー

STAND BY ME ドラえもん 公式HP

FILMANIA 映画の話をしましょうよ

はぁーとうとう、ドラえもんの話をする回が来てしまいましたね。わたしは、ドラえもん大好きなのですが、まぁお話するほどの事でもないし…ドラえもん達が声変わりしてからはほとんど見ていないし。。。と言い訳は山程あります。でもねぇ、今回鑑賞して、ほぼ全ストーリー原作で知っているお話だったんですが、それがこうして1本の映画となると、なんとも胸アツで、ずっとぎゅーっと自分の心と体を掴まれているような、そんな感じがしたんですよね。

のび太くんて、ほんっとうに出来ないことがいっぱいじゃないですか。勉強できないし運動もダメだし…。がんばってよくなろうと努力して、一生懸命明日の算数のテスト勉強するんですけど、実はテストは算数じゃなくて漢字テストだったとか。もう、びっくりしちゃいましたよ。だけどねぇ、もう、こんなこと全然お話したくないんですけど、もう、わたしそのものなんですよ、のび太くん。わたしもほんっとうに勉強できなくて運動もできなくて、未だに別にどちらも出来ませんけど。それに、マヌケなところまで、もう、わたしそのもの。もう、全然他人事とは思えないんです。わたしも違う教科のテスト勉強しちゃいそうなところがあって。映画をみながら、時々白目を向きそうになりました。ちなみにのび太くんは8月7日生まれで、わたしは8月6日生まれなんですね。より親近感湧いちゃうと思いません?わたしが、がきんちょの頃にこの話をうちの母親にしたら「あー、だからか・・・」なんて納得していましたよ。それほど、うちの親も納得するほどわたしも出来ないことだらけの、少年時代でした。

そののび太くんとドラえもんの物語は、なんだか抜けていて柔らかくて、どうしようもなく愛しい時間だったんですよ。

印象に残るシーンたくさんあるんですが、その中でも、ストン。と心のある場所に落ち着いた言葉があって。少年のび太くんが青年のび太くんに会って、どらえもんにも会うか聞くんです。

大人になったのび太くん「いや、やめとくよ、ドラえもんは君の、子供の時のぼくの友達だから」

そこで、腑に落ちたんです。ドラえもんは、子供の時のわたしの友達だったことに。

古澤健監督『いずれあなたが知る話』

現在、1月28日まで2度めのクラウドファンディングを行っております。

前回のクラウドファンディングは、完成までの資金を集めることが目的で、今回は、生まれてきた作品『いずれあなたが知る話』を一箇所でも多くの地域に、一人でも多くのみなさまへ感謝の気持も込めてお届け、公開するためのクラウドファンディングとなります。

この親、この隣人の片鱗があなたにもあるかもしれない。
映画『いずれあなたが知る話』全国劇場公開支援プロジェクト!

詳細はTwitterで#いずれあなたが知る話 の検索をお願いいたします。

ではまた来週、映画の話をしましょうね。

オノユリでした