コエボンラジオをお聴きのみなさん、こんばんは。2月5日(土)女優オノユリの映画の話をしましょうよのお時間です。
今日は、番組の最後に、わたしとこの番組にとっては重要な発表があります。なのでね、そこにむかってお話をするのかぁと思いながら、ふと今日の映画について考えると、最初に考えていた内容と徐々に変わっていくような気がしますね。笑 まぁ、いいや。今日も元気に映画の話を、しましょうよ。
Perfect Strangers・親愛なる7人の他人
Perfect Strangers
監督: Wissam Smayra ウィッサム・スメイラ
脚本: フィリス・ナジー
原作: パトリシア・ハイスミス
このラジオでは以前韓国版のお話をしたことがあります。世界で最もリメイクされているイタリア映画『Perfetti sconosciuti(おとなの事情)』の舞台を中東に移した 『親愛なる7人の他人』のお話をしたいと思います。もともとはイタリア映画なんですね〜。ずっと気になってたんですよ。韓国版がすごく面白くて、ちょうど日本でも去年の1月に『おとなの事情 スマホをのぞいたら』が公開されてて。世界18カ国でリメイクされているって知って、一体オリジナルはどこの国なんだろう!?と不思議だったんですよ。で、韓国版を鑑賞していたから、中東版って、あれやそれのお話は一体どうなってしまうんだろう…って鑑賞しながらドキドキしちゃって(笑)
物語
夕食会で、スマホの着信メッセージを見せ合うことにした旧友7人。だがそのせいで、誰にも知られたくないそれぞれの”事情”が、次から次にさらされていく…。
Netflix
物語は、会話劇で、ほぼワンシチュエーションで進んでいきます。
登場人物は
1組目の夫婦:パーティーのホスト
整形外科医のワリード、旦那様、と心理カウンセラーのメイ、奥様。17歳の娘ソフィがいます。ソフィは反抗期、彼氏がいるが、母親との仲が険悪。
2組目の夫婦:
シェリフ、旦那様、と奥様のマリアム。レバノンに移住してきたエジプト人夫婦。小さい子供が二人いるが、今夜は同居しているシェリフの母に子供を預け参加。
3組目の新婚夫婦:
実業家の夫、ジアッドとお嫁さんは獣医のジャナ。新婚ホヤホヤ。そろそろ子供が欲しいところ。40ドルのフランス製オーガニックワインを持っていく。
4独身:
求職中の男性教師ラビ。本当は新しい恋人ラシャを連れてくるはずだったが、急に体調が悪くなって来られないため、一人で参加。ワインボトルを二本持参。
20年来の友人同士のパーティという事で、お互いに隠し事はないと自負するメンバー。いつもパーティに参加している、ある一組のカップルが、不倫が原因で離婚して参加出来なかったのは、奥さんが旦那さんのスマートフォンのメッセージを読んだことがきっかけだったというお話から、発展してお互いの着信メッセージや通話を見せ合う&通話の場合はスピーカーフォンにするゲームが始まります。
まったく、ろくなゲームじゃないですね(笑)ところがどっこい、スマートフォンに隠された人の秘密って面白いんですよ…(笑)他人事だから笑ってられますけど(笑)
物語の中盤で、ぐぐぐ…と引き込まれるポイントがあります。それが、スマートフォンの交換シーン。シェリフ、エジプト人夫婦の旦那様が、唯一の独身参加者、休職中のラビにスマートフォンの交換を頼みます。なぜならこのあと、ある女性から好ましくない写真が送られてきてしまうから、とわけわからない説明がなされます。しかし、ラビは断ります。なのにも関わらず、ラビに黙って自分のスマートフォンをラビのものと差し替えてしまうシェリフ。
見ていると滑稽でアホだなぁ〜なんて笑ってしまう内容を必死に隠しているシェリフに、まぁ、気持ちはわかるけどさ。奥様にバレたら大変だよね。なんて秘密が、思わずのけぞるような展開に進んでいきます。そこからのシェリフの言葉に、とても考えさせられてしまうのです。
いやもう、このシーンからは荒れ狂うジェットコースターに乗せられているような展開。映画を見ているのに舞台を見ているようなライブ感と、映像だから間近で見られる小道具や美味しそうな中東のお料理の数々。映画と舞台のいいとこ取りのような感覚を受けますよ!そして、人々の感想を読むと、ちょっとエンディングがわかりにくいところがあったようなんですよね。実は一緒に見ていたうちの父も気づいていなかったので、ここヒントを残しておきます。ヒントは「イヤリング」です。もし最後までみて「どーゆーことかな?」と思われたら、「イヤリング」に注目してください。いや〜これ、観てない方に観ていただきたいな。そして感想をお聞きしたいな!このヒントがどうだったか教えてほしい!!笑
では、次の映画なんですが、最近鑑賞した映画で、面白いんだけど、ちょっとモワモワっとした気持ちになった作品が2本あって、ミステリー作品なのでお話できることもあまりないので作品紹介だけいたします。
Little Things
監督 :John Lee Hancock・ジョン・リー・ハンコック
原題:The Little Things
物語
カリフォルニア州カーン郡の保安官代理を務めるディークは、事件の証拠集めのためロサンゼルスへ向かう。任務はすぐに終わるはずだったが、ディークは連続殺人事件の捜査に巻き込まれてしまう。捜査の指揮を執るロサンゼルス郡保安局の巡査部長バクスターはディークの経験と鋭い勘を認め、彼と組んで容疑者を追い始める。しかし捜査を続けるうちに、ディークの暗い過去と不穏な秘密が浮かび上がり……。ジャレッド・レトがゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネート。監督・脚本は「しあわせの隠れ場所」のジョン・リー・ハンコック。
映画.com
この作品…驚くべき超実力派キャストが集結しているのです。デンゼル・ワシントン × ラミ・マレック × ジャレッド・レト…と、アカデミー賞®受賞者 が顔を突き合わせて問答無用で芝居の応酬を繰り広げる、最高に贅沢なクライム・サスペンス!まぁ、眼福でございます。お3方とも素晴らしくて、選べないけど、わたしはあの ジャレッド・レト の灰汁の強さが好きですね〜。いや、でも、今回この人がいなかったらこの映画は成り立たない!!という存在感のデンゼル・ワシントン。否が応でも、90年代の時代背景作品の中に、鑑賞者を見事に飲み込みます。うん、映画にぶくぶくと飲み込まれていく感覚の映画です。映画そのものが90年代に撮られた作品のような印象を受けるんですよね。あれ?2021年の作品だよね??って何度も自分の存在する時代を確認してしまう。時代背景に引きずり込まれる感覚がすごいなぁと思っていたら、脚本が93年に書き上げられたものなのもあるようです。で、この映画に鑑賞者が引きずり込まれていく感覚をすれすれで保てるのが、ラミ・マレックの存在なんです。彼がいるから、なんとなくわたしたちは個々に足場があって、映画の鑑賞者でいられる、というなんとも自分がアンバランスになるような映画作品です。
で、この作品、面白いですし、豪華キャストに目を疑いたくなる布陣なのですが、鑑賞後、もわぁってするんです(笑)まぁ、観ていただいたらわかります。90年代で道に迷いたいなぁと思われる方に、おすすめです。
あ、2本お話しようと思ったけれど、もう丁度いい頃合いの時間なので、映画のお話はここまでにして、後回しにしていたわたしとこの番組にとっては重要な発表をいたします。
「オノユリの映画の話をしましょうよ」が、2月26日に最終回を迎えることになりました!おお・・・こんなふうに最終回の発表をする日が来るとは!!
この番組、一度渋谷で生放送の番組が終了となりFMレキオにお引越しを行っているので、終了は迎えているのですが、本当に突然の引っ越しとなったので、最終回の発表がなかったんですよ。なので、今回は、みなさんにご挨拶する機会があるのがすごく感慨深くて、こう…カウントダウンしていく感覚がちょっと気持ちがこみ上げてきて、嬉しくもあります。
2017年の7月からはじまって、4年と7ヶ月続いてきた番組、こんなに長く続くなんて誰一人思っていなかったんじゃないかな(笑)年末も年始も変わりなく放送してきたのは、本当にいい経験となっております。ようやく、ちょっと器用に立ち回れるようになってきたかな?なんて思った頃に、不思議と卒業がくるものなんですね。うん。とても嬉しいです。わたし、オノユリ自身が次のステージへ向かう時期なんだよって言われていると受け取って卒業の日、2月26日を迎えたいと思います。あと3回放送が続きますので、2月26日まで楽しく映画のお話を続けていきたいと思います。お時間ご都合合えば、お耳づきあいいただければ幸いです。
ではまた来週、映画の話をしましょうね。オノユリでした。